中国の祝日ーー元宵節(お団子の作り方付き)
新年おめでとうございます−−過年好(ゴオニアンハオ)
元宵節
●時間
旧暦1月15日。
春節後に到来する最初の満月の夜。
元宵(もち米で作った団子)を食べたり、提灯を飾ったりして祝う。
元宵は地方によって材料や調理法が異なるが、一家団欒の象徴であることは共通している。
●由来
2000年前の前漢時代、皇帝に「元宵」という名の側女がいました。
皇居に入って3年も実家へ戻れず、家のことを心配するあまり泣いてばかりいました。
大雪が降ったある日、大臣の東方朔が武帝のために梅の枝を折っていると、元宵が井戸に身を投げようとしていました。
東方朔は、それを助け、家族思いの元宵のため、ある方法を思いつきます。
東方朔は、元宵に緋色の服を着せ、長安の大通りに行かせて玉帝のお告げといつわって、
「わらわは火の神なるぞ。聖旨を奉じて長安に火を放ちにまいった。玉帝は南天門の上に立たれて天上からこれを見物される」
と言わせました。
それを聞いた人々は、慌てて助けを求めたところ、元宵は「このたびの災いを避けたいと望むならば、この赤い書状を天子に渡し、対策を講じさせよ」といって、赤い書状を手渡しました。
武帝がこの書状を開いてみると、そこには
『長安在刧 長安は刧にあい
火焚帝闕 火は宮城を焼き払う
十六天火 十六の天火は
焔紅宵夜 炎で宵夜を赤く染めん』
と書いてあります。
武帝が驚いて東方朔に方策を尋ねると、東方朔は、「伝え聞くところによると、火の神は『湯圓』が大好物だそうです。
女官の元宵は『湯圓』をつくるのが上手で美味しいことを、火の神も知っています。十五日の夜に彼女に『湯圓』をつくらせ、陛下は香を焚いてそれを供えたらよいでしょう。
それから住民たちにも『湯圓』をつくらせ、火の神に捧げましょう。
そして臣民がいっせいに灯篭を作り、十六日の夜家ごとに火を点して飾り、花火をあげ、爆竹を鳴らせば、まるで城じゅうに火の手があがったようで、南天門で見物している玉帝の目をごまかすことができましょう」
武帝はすぐに東方朔の言葉通りにするように命令しました。
正月十六日の夜、長安の城内では灯篭を飾り、いっせいに花火を打ち上げました。
元宵の家族も灯篭見物にやってきたので、元宵は念願かなって、家族と顔をあわせることができました。
それから毎年、元宵はこの機会に一家と顔をあわせることができるようになったということです。
●元宵節のご馳走
元宵節には、「元宵」という団子を食べます。
「元宵」は「湯圓(汤圆∶tāngyuán)」とも呼びます。
春秋時代の終りには、元宵を食べる習慣があったと言われていますが、当時は粘り気のある、白いかゆ状のものでした。
後に、お湯の中に浮かんだ、甘いあんの入ったもち粉の皮のお団子に変わっていったのです。
満月のように丸く、銀元(昔のお金)のように白い湯円には、団らんの意味があり、幸福の象徴でもあります。
●湯圓の作り方
ここでは、最も一般的な芝麻(ゴマ)湯圓の作り方を
ご紹介します。
私は、花生(ピーナッツ)湯圓が一番好きですが(笑)
▲材料〈16個分〉
・(皮)
白玉粉 60g
水 適量
・(餡)
黒ごま 0.5カップ
黒練りごま 大3
砂糖 0.5カップ
ラード 大3
▲作り方
胡麻を軽く煎り、香りを出したらすり鉢ですりつぶす。
黒練り胡麻、ラード、砂糖を入れてよく混ぜる。冷蔵庫で冷やして固める。
白玉粉に水を入れて、耳たぶくらいの軟らかさまでよくこねる。直径2cmに丸め、(1)を餡にして、だんごを作る。
沸騰したお湯の中に入れて煮る。だんごが全部浮いたら、器に取る。
今は、冷凍の湯圓があります。凍ったまま、沸騰したお湯に入れて浮いてきてら
出来上がりですから、簡単です。
それこそたくさんの種類があって、芝麻(ゴマ)や花生(ピーナッツ)はもちろん、
巧克力(チョコレート)、 緑豆、アズキ、 玫瑰(マイカイ)、
山楂(サンザシ)、 南瓜(かぼちゃ)・・・・数え切れないくらいです。